あけましておめでとうございます。
昨年3月11日には東北大震災が起こり、多くの人命が失われました。
今回の震災では、人災ともいえる原発事故も加わり、
今も、住み慣れた土地を離れ、避難所生活を強いられている方も
多いことに心痛むものがあります。
一日も早い復興がなされることを望んでいます。
世界的にも、ヨーロッパにおけるギリシャ・ショックともいえる
ユーロ危機から発した経済の危機的様相が私達の日常にも影を落としたまま
新年を迎えてしまいました。
何となく閉塞感の漂う新年となってしまいました。
人の思いとしては、悪いことはすべて忘れて、
新年を迎えて心機一転といきたいところです。
そのような思いを反映してか、全てをリセットして一から始めたいという流れが
強く感じられる世の中になってきているようです。
確かに、古い慣習や既得権でがんじがらめになった世の中を変えるには、
革命的な動きが必要な面もあります。
しかし、革命には犠牲がつきものです。
しかも、必ずしも犠牲になるのは、それまで既得権にあぐらをかいていた者だけでなく、
世の中で弱い者も犠牲になることが多いことは歴史の教えるところです。
本来は、社会を構成する人々が、お互いの立場を思いやって、
少しずつ世の中の仕組みを改善していけるような社会を目指すべきであろうと考えます。
今年の4月には、重症心身障害児施設が法律上は消失して、
18歳未満の医療型障害児入所施設と18歳以上の療養介護施設に分かれます。
実質的には、一体運用されることになり、
利用者の方には当面は大きな影響はないと思われます。
しかしながら、総合福祉法制定に向けて、
施設から地域へという大きな流れは加速されていくと思われます。
社会で最も弱い重症心身障害児・者を守るための安全弁としての
重症心身障害児施設の役割は、決して失われることはないと考えますが、
一方で、入所している利用者だけでなく地域で生活する障害児・者への支援を
さらに進めていくことが求められています。
この数年来、当センターが進めてきた方向と一致するものであり、
結果として、入所の方も在宅の方も守るという責任を果たすことにつながると考えています。
革命的な改革ではないかもしれませんが、少しずつ良い方向を探して、
気がついたら「すなご」は変わっていたねと
いわれるような歩みを続けたいと思っています。
そのためには、施設を運営する私たちだけでなく、
利用者や家族、施設を支えるボランティアの方々が
いっしょになって努力できる一年となって欲しいと願っています。
西宮すなご医療福祉センター
院長 服部英司
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